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第15回  「詰め込み教育」の中ですすめられようとしていること ()

■ できる者には「エリート教育」を

 「基礎・基本」が身についている子は「エリート候補生」です。子どもたちには「記述力」「報告力」「論述力」「表現力」「判断力」などの「活用力」を育成するための学習課題が待ち構えています。こうして、「エリート候補生」の間でも激烈な競争が強いられ、三浦朱門氏の言葉を借りれば「百人に一人のエリート」に絞り込まれていくのでしょう。きっと「レポートの書き方」「論述の仕方」「表現方法」などのくり返し練習・ドリルが学校でも塾でも大流行するに違いありません。

■ 「エリート教育」は青天井

 新学習指導要領は、現行指導要領の「これ以上は踏み込んではならない」とか「これ以上は教えてはならない」という、いわゆる「歯止め規定」を原則なくしました。指導内容の「規制緩和」です。つまり、「できる子」にはどこまでも教えてよいというわけです。まさに青天井の教育が施されることになります。

 これが「習熟度別授業」と組み合わされるとどうなるでしょう。「できる子」を集めたクラス(グループ)には教科書をはるかに超えた「エリート教育」、「できない子」の授業ではドリル・反復練習の日々、身体に叩き込む授業が展開される。教える内容が二分化(あるいは三分化)され、複線化教育が学校の中でまかり通る。財界や支配層が首を長くして待ち望んだ「エリート教育」が、こうして始まろうとしているのです。



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