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第17回  「習熟度別授業」で学力は向上するのか (1)


 国民を二分化する体制

今でこそ、競争(市場原理)こそすべての価値を生み出すとした新自由主義の問題点があちこちで明らかになり、その克服が世界的な課題になっています。しかし、新学習指導要領は新自由主義がもっとも華やかな喝采を受け、競争主義がすべてを覆い尽くそうとしていた、まさにその時につくられたものです。「授業時数確保」の旗が振られるその一方で、国民を二分化する「複線化教育」体制がこのなかで整えられようとしていることを見逃してはなりません。


■ 「習熟度別授業」への疑問

        本当に学力が向上するの?

 国や都は「習熟度別授業」を学校に強要しています。しかし、あちこちで問題が噴出。そのいくつかを拾ってみることにしましょう。

@ 先生も友だちも変わることは大きな負担とストレス

 小学校が学級担任性をとっているのは、この年代の子どもは学力と生活(環境)が不可分に結びついて形成されるからです。ところが低学年から学級を解体し、先生も友達もちがう環境の中で学ぶことを強いる「習熟度別授業」。子どもにとってはそれ自体が大きなストレスです。

A 教えたくても教えられない

 学級を解体して「習熟度別」に子どもを分けるため、この子にはもう少し時間をかけて教えたいと思ってもチャイムと共に元の学級に子どもは戻っていってしまいます。教えたくても子どもがいないのが「習熟度別授業」です。






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