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第18回  「習熟度別授業」で学力は向上するのか? ()



「習熟度別授業」への疑問の続き


 前回、「習熟度別授業」の問題点として、@低学年から学級を解体し、先生も友達もちがう環境の中で学ぶことを強いる「習熟度別授業」は、それ自体が子どもにとって大きなストレスであること、A子どもはチャイムと共に元の学級に戻っていってしまい、もう少し教えたい、補充指導しようと思っても子どもがいないのが「習熟度別授業」であることをのべました。今回はその続きです。

B自分の学級の子どもの学習状況が分からない

 さらに深刻なことは、自分のクラスの子どもが授業で何が分かり、どこでつまずいているのか、課題は何かなどについて担任が把握できないことです。多くの学校では算数を「習熟度別」にあてていますから、毎日の算数の授業でこういう状態が生まれることになります。多忙化の嵐が吹き荒れる学校では、毎日一人ひとりの子どもの学習状況を交流するなど、とてもできる話しでありません。

算数の「習熟度」を熱心にすすめているある学校の話です。この学校では単元の「まとめのテスト」は学級単位でやることになっているそうで、担任はそこで初めて学級の子どものつまずきぐあいを知ってびっくりするやらあわてるやら・・・・・、結局、総合学習の時間を使って算数の補充指導に明け暮れるという笑えない事態が生まれたといいます。

「習熟度」は本当に学力向上のためになるのでしょうか。





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