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第26回  上意下達の学校 (3)

A 上意下達・ピラミッド型の学校

 校長→副校長→主幹→主任教諭→教諭,期限付任用教諭・・・・。学校の中はまるで企業やお役所のように職階制が敷かれ、給料も差別化されました。上意下達、ピラミッド型の学校です。しかし、このような学校が、教育という企業や役所とは大いに違う仕事を担う場にふさわしいのでしょうか。

■ 「なべぶた型」から「ピラミッド型」へ

 学校の姿は「なべぶた型」と言われてきました。学校は校長を中心にすべての教職員が協力・共同、知恵と力を出し合って教育に当たる必要があるからです。学校教育に必要なのは上下関係ではなく横のチームワークなのです。ちょうどそれは、なべのふたは真ん中につまみが付いていてあとは平らになっている姿と似ています。

 ところが、この「なべぶた型」ではお上の命令が行き届かないと、学校を「ピラミッド型」に変えるために政府は次から次へと法律を変え、自分たちに都合のよい制度を学校に押し付けてきました。東京では石原都政のもと、全国に先駆けて力ずくで学校を「ピラミッド型」に変えてきました。「人事考課制度」「教職員評価と連動した賃金の差別化」「校長権限の強化」「職員会議の形骸化」「主幹制度」「主任教諭制度」・・・・・。

■ 学校が学校でなくなっている

 しかし、これらが学校に持ち込まれたことで学校は少しでもよくなったでしょうか。子どもが幸せになったのでしょうか。教職員が気持ちよく意欲的に教育に打ち込めるようになったのでしょうか。「第1話」「第2話」で述べてきた子どもと私たちをめぐる現実は、学校は少しもよくならないばかりか、前にも増して閉塞感や疲弊感がただよっています。「学校が学校でなくなっている」とベテランの先生が嘆く事態がますます広がっているように見えてなりません。



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