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第27回  まずは、つながり、話し合うことから 
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1) 職場に不満や願いや要求が満ち溢れている


@ 「ちょっと集りませんか?」

 忙しさの間を縫って久しぶりに開いた職場会。二人三人と集ると、堰を切ったように子どものこと、管理職のこと、授業のこと・・・・・次から次へと話が続きます。

追い立てられるような慌しさの毎日。じっくりどころかちょっとした立ち話をする時間も無いなか、職場には不満や願いや要求が積もりに積もっています。忙しいからと声をかけるのもためらう状況ですが、いったん集れば話は尽きません。まずは、ちょっと勇気を出して声をかけ合ってみませんか。“ことはじめ”は二人でも三人でも集って語り合うことからです。

A やっぱりおかしいことはおかしいと

 ある学校で校長の提案に意見を言ったら、「文句があるなら言いに来い」と副校長がたいそうな剣幕で言ったとのこと。「おかしいよ」「あんな言い方ないよなぁ」とぶつぶつ声があがりますが、なかなか手をあげて発言できないのが現実です。何かそんなことがあったらすぐに声をかけ合って集ってみる。おかいしこと、不条理なことをそのままにしない。おかしいな、変だなと思ったら声をかけ合って集る。集って話してみる。そうすると「おかしいな」と思っているのは自分だけでないことが分かります。一人ではなかなか言えないけど、みんなで集れば元気も勇気も出ます。そんな一つひとつが、学校をよみがえらせて行く一歩になるのではないでしょうか。

B くり返し話し合うこと、考え続けることの大切さ

 算数などで「習熟度別授業」が強制されるなかで矛盾が広がっています。だれもが実感しているように、「習熟度別」は授業実践を教科書に縛り付け、教科書で教えるどころか、教科書を教えるよう私たちを汲々とさせています。気にかかるのは、教科書の進み具合ばかり。多くの先生が、「習熟度別」になって子どもの実態や様子に合わせて授業を工夫したり教材や教具を準備することがめっきり減り、ともかく教科書を進めることばかりに気持ちが行くと話します。

 「主任教諭制度」の矛盾も深刻です。同じ学年主任の仕事をやっているのに「主任教諭」と「教諭」とでは給料がちがう。多くの教職員が「主任教諭制度」が学校に入って何となく人間関係がしっくりしない、隙間風を感じると「主任」もそうでない者も同じように感じています。

 授業時数確保の大号令のもとに、子どもそっちのけ、教育そっちのけの事態が広がっています。6時間授業はあたり前、夏休み短縮、土曜授業・・・・・。授業時数ばかりをこれでもかと増やして詰め込んでみても効果など上がらないのをみんな知っているのに、ますますエスカレートする授業時数競争。

 などなどなど・・・・・。くり返しこうした問題について話し合うことが大切ではないでしょうか。流されずに問題意識を持ち続けること、この冊子を「肴」にみんなで考えてみること、考え続けること。今、必要なことの一つです。





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