直線上に配置

第6回  格差拡大と下位層増加

 子どもたちの疲労感やイラツキは学力問題と無縁ではありません。

 新自由主義「教育改革」は矢継ぎ早に子どもには競争を、学校には選り分けを強いてきました。一斉学力テストと「成績」公表、習熟度別(能力別)授業の導入、学区の自由化と学校選択制の導入、小中一貫校・・・・・。これらのどれもが、子どもを競争に追い立て、学校の姿を根本から変えはじめています。

 マスコミは「日本、トップから陥落!」、「日本の学力、続落!」とOECDがおこなった世界的な学力調査結果をセンセーショナルに報道しました。しかしマスコミは順位に注目しても、上位と下位の子の学力格差が前回の調査にくらべ大きく広がり、下位層の子どもがグンと増えたこと、それが全体を押し下げている点については、あまり触れませんでした。

 たとえば大問題になった「読解力」はどうでしょう。2000年と2006年をくらべると、「レベル1未満」は2.7%→6.7%、「レベル1」は7.3%→11.7%、「レベル2」は18.0%→22.0%と下位の子がグンと増えています。減ったのは中間の「レベル3」「レベル4」で、33.3%→28.728.8%→21.5%。そして最高レベルの「レベル5」は9.9%→9.4%とほとんど変わっていないのです。2000年には、OECD平均より「格差」が少なく、下位の子がたいへん少ないことが日本の特徴だったのですが、「教育改革」のすすんだ2006年にはそれが総崩れです。

 どうしてこんなことになったのでしょうか。


もどる
直線上に配置