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第8回  いずれは就学時に遺伝子検査を

 次に、三浦朱門氏と同じ教育改革国民会議のメンバーで会議の座長を務めた江崎玲於奈氏の発言を紹介しましょう。


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 人間の遺伝情報が解析され、持って生まれた能力がわかる時代になって来ました。これからの教育では、このことを認めるかどうかが大切になってくる。僕はアクセプト(許容)せざるを得ないと思う。自分でどうにもならないものは、そこに神の存在を考えるしかない。その上で、人間のできることをやっていく必要があるんです。

 ある種の能力の備わっていないものが、いくらやってもねぇ。いずれは就学時に遺伝子検査を行い、それぞれの子供の遺伝子情報に見合った教育していく形になっていきますよ。・・・・・

個人一人一人の違いを認める教育とは、つまりそういうことだ」

『機会不平等』斉藤貴男著 文芸春秋 12n,14n

                                  

 このヒットラー張りの優生学教育論をとうとうと述べるのがノーベル物理学賞受賞者だということ以上に恐ろしいのは、今日の新自由主義「教育改革」を先導した責任者だということです。

 三浦朱門氏は“ゆとり教育とはエリート教育のこと”と言い、江崎氏は“個に応じた教育とは遺伝で決まっている能力に応じた教育”だとあけすけに語ったのです。

 くり返します。今日の子どもと教育に関わる深刻な問題の多くは、これらの人々によって、意図と計画のもとにすすめられてきたのです。


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