2013年11月例会報告     過去の例会へ ホームへ../zhong_yang_yan_xian_li_kesakuruHP/guo_quno_li_hui.html../zhong_yang_yan_xian_li_kesakuruHP/homu.htmlshapeimage_1_link_0shapeimage_1_link_1
 

2014年1月へ

日 時:2013年11月22日(金)18:30~21:00

場 所:国分寺市本多公民館

参加者:阿久津・石川・小川・児玉・鷹取・津田・手塚・天田・堀・望月・町田(記録)


先月の天田さんに続き、東京農工大から学生の望月さん、12月から八王子で産休代替として働くことになった石川さんと、2名の初参加者がありました。また、児玉さんも久しぶりの参加。先月とは打って変わって賑やかな例会になりました。

初参加の方もいたので初めに簡単な自己紹介をしてから報告に入ろうとしましたが、レポート予定の吉村さんが職場の事情で急遽欠席となったことがわかりました。少々予定が狂ってしまいましたが、逆に1つ1つの報告にたっぷりと時間をかけることができました。


1.レポートの書き方と復習テスト ・・・・・・・・・・・・・・・・・石川さん

石川さんから飛び込みレポートとして「中学生へのレポートの指導方法」と「小学校のときに学んだ内容の復習テスト」に関する報告がありました。

レポートの指導法については「模範的なレポートを示すと良いのではないか。」「授業時間中に書かせるのであれば、実験時間を取るためにも簡略化も考えるべきではないか。」「教科書通りの実験なら、書かせるのではなく貼り付けても良いのでは?」などの意見が出されました。また、阿久津さんから、全員同じことを書く実験方法などは、ラベルシートに印刷して配布しているとの工夫も紹介されました。

小学校の振り返りについては、石川さんは(  )の穴埋め式のプリントを用意されていましたが、穴埋めではなく、文章をかかせる方式を取った方が、理解できているか否かがわかるのではないか、との意見が出されました。


2.小中高を見通した自然科学の授業の分科会を目指して ・・・・阿久津さん

ここ数年の阿久津さんの問題意識は小中高を見通した自然科学教育です。そこで、物理分科会で小学校の先生に報告をしてもらう努力をしたり、秋の研究集会で阿久津さんが小4分科会でレポートしたりと積極的に活動しています。この報告は過去10年の大会の報告を元に小学校から高校の教育内容や実践がどのようにつながっているか(つながっていないか)を分析したものです。

「おもちゃ作りの経験は低学年で十分可能。」「温度計の使い方は学ぶが、温度の定義はされていない。簡単でもして欲しい。」「電流で直列つなぎのメリットは学ぶが並列つなぎのメリットは学ばない。これだと、並列つなぎをする意味がないことになってしまう。」「体積や温度を学ばないで『温度と体積』を学んでいる。」などさまざまな問題点が語られました。

中でも印象的だったのは振り子に関する考察です。小学校での振り子の授業では、ヒモの長さと重りの質量の関係を明らかにするような作業が中心となっているそうです。しかし、次に振り子が出てくるのは多くの学校で高3の『物理(4単位)』で、これはほとんどの場合選択科目です。もし、小学校で学ぶのであれば「ヒモの長さ」や「重りの質量」に着目させるのではなく、同じ高さまで上昇することに注目させるなど、エネルギーにつなげるような授業のほうが良いのではないか、という意見が出されました。

熱の伝わり方に関しては、輻射を習ったかどうかが話題になりました。伝導と対流は分子の振動で伝わるため接触していなくては伝わりませんが、輻射は電磁波によって離れていても伝わるため、現在は触れられていないのではないか、という意見が出されました。

鷹取さんからは「分子をいつ、どのように導入したら良いかを提案して欲しい」との要望が出されました。その他「自然科学」と「科学技術」が未分化なので、大人でも科学技術のために自然科学があると考えている人が多いことが指摘されました。


3.自然と社会 分科会の運営について ・・・・・・・・・・・・・・・鷹取さん

11月17日に2014年の科教協東京大会運営委員会の中で学習したものをあらためて紹介していただきました。

1971年〜2013年の42年間に及ぶ「自然と社会分科会(名称が違う年もある)年表が示され、長い年月をかけて議論されてきた内容が見て取れました。

気象の学習の中では「日本には秋に台風が多く来ます」という学習が多いのですが、それだけでは不十分で、台風によって豪雨と土石流などの災害が起こることも学ばせたいとの意見が述べられました。私も地学分野の授業をするときにはそのような授業になってしまっていることにあらためて気づかされました。また、災害の具体的な記録が削除されてきている事実が紹介されました。

断層と原発事故については、根尾谷断層の写真とともに、政府によって活断層と原発の規制が緩くなってきた歴史について、年表を追いながら解説がありました。どこまで教えるべきかを、今後議論する必要があると思います。

鷹取さんの『「防災教育」をやろうとは思わないが「防災を念頭に置いた自然科学と教育」を行う必要があるのではないか。』との発言が印象的でした。


阿久津さんと鷹取さんの報告は来年の科教協東京大会に向けてのレポートでした。いよいよ東京大会が迫ってきました。みなさん、レポートを持って参加しましょう!


その後、場所を移してちょっと早い忘年会になりました。いつもとは違う奥の個室の座敷に通され、楽しいひと時を過ごしました。若い人たちからも積極的な発言があり、例会にも増して盛り上がりました。人数が多いと活気が出ます。どんどん仲間が増えることで様々な校種や分野の授業に関して議論ができると良いと思いました。