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Moonshine 16


―なぜメキシコなのか―




 いつ何処で発生してもおかしくないといわれ続けていた新型インフルエンザなのだから、たまたまそれがメキシコで発生したのだとしても不審に思う必要はない。
 しかし、アメリカの経済陥没がひどく、「米国が財政破綻し、ドルが崩壊する可能性はすでに高い。米政府は、財政破綻を宣言せずにすませようと思ったら、戦争を誘発するしかないだろう」*(『プラウダ』2009年3月19日)という事態のなかで、アメリカとメキシコ間で麻薬戦争と経済戦争とも呼びうる様相が激化の一途を辿っており、「米国の国家安全を脅かす組織」であるメキシコの麻薬組織を叩くためにアメリカ軍がメキシコに越境攻撃する可能性もあるとの宣言をアメリカ政府が出していた**のを考えると、今回のインフルエンザが自然に発生したのではないという見方も選択肢に残しておきたくなる。
銃規制の厳しいメキシコ側からすれば、銃規制にルーズなアメリカへの不満も募っていた。アメリカから大量の武器が流入し続けるのを阻止するべく要請を出し続けているが、アメリカがなんらの政策も採らないため、メキシコ側からのなんらかの「攻撃」も必要になりつつあった。
 経済面では、アメリカとメキシコの間でのトラック輸送問題がある。両国間では2000年より、NAFTAの自由貿易協定に基づくメキシコのトラックのアメリカ国内への自由輸送が許可されていた。国境を越えて、メキシコのトラックがそのまま米国内まで貨物を輸送できる体制だったが、これをオバマ政権は停止させてしまった。メキシコのトラックの運転の荒さが表面的な理由だが、実質的にはアメリカ国内の輸送業への支援措置であり、景気対策の一環である。これに対してメキシコは激怒し、アメリカからの90品目の輸入に制裁関税をかけることを表明した***。
 メキシコに対する最近のアメリカの振舞いは、武器についてはイラクやアフガニスタンに対して行ったそれ、麻薬については中南米たいして行ったそれに近いという見解もある。武器にしても麻薬にしても、ともに流通を増大させ、それによって政情や社会の不安定化を促進する結果を招くことになるというものだ。
 アメリカとメキシコの間のこうした経緯に加えて、1976年にアメリカで発生した「豚インフルエンザによる大虐殺」事件****を思い出すと、今回のインフルエンザが人為的に発生させられたのかもしれないという可能性を、やはり選択肢から安易に除くことはできないように思える。「豚インフルエンザによる大虐殺」事件は、大製薬会社が儲けのために豚用の「豚インフルエンザ」ワクチンを開発したものの、思うように売れなかったことから、それを人間に接種するというキャンペーンが捏造され、フォード大統領の掛け声で行われたワクチン接種で発生した悲劇で、この人為的事件からエイズ・ウィルスが発生するに至ったという見解もある。ワクチンではなく、ウィルスそのものが人為的に準備されたと考えさせられる点で、もちろん今回のケースとは構造が違う。
 今回の新型インフルエンザの突然の出現については、すでに陰謀説が出ている。ネット上のサイトInvizibletouchに出たようなトラック運転手からの投稿は、どのように読むべきだろうか。たくみに時機に乗じた冗談のたぐいだろうか。このトラック運転手は、バイオハザードのラベルで封印された箱をペンタゴンへ運んだと書いており、彼が垣間見たペンタゴンのレターヘッドのある文書には、メキシコ、ロサンジェルス、ニューヨーク、ヒューストン、シンガポールにおけるH1N1の第一段階成功を伝える内容が記されていたという*****。


*http://english.pravda.ru/world/americas/19-03-2009/107263-usa_economy_debt-0
**http://www.iht.com/articles/2009/02/27/opinion/edmexico.php
***http://mobile.associatedcontent.com/article/1582281/obama_starts_a_trade_war_with_mexico.html
****ユースタス・マリンズ 『医療殺戮』(歴史修正学会編、矢部 真・ 天童 竺丸訳、面影橋出版)
*****http://www.invizibletouch.com/2009/04/26/swine-flu-conspiracy-break-out-the-tin-foil-hats/
《Letter someone sent me today regarding the Swine Flu epidemic:

Guys, you’re the only ones i can tell about this. Be careful who you inform.
I’m a trucker with a stellar record, and I’ve been getting bigger and bigger transport jobs from the government over the years. The job’s been good to me, as I do not have to interact with anyone when I’m on the job, and most people stay away from me because they assume I’m dumb as a sack of bricks. I don’t mind, since I don’t like people.
Two weeks ago I finished transporting some biohazard-labeled sealed boxes to the Pentagon. After an armed escort met me at the loading dock, they told me to wait in truck until someone arrived with a check. These people weren’t the govt workers I knew and interacted with regularly, so they didn’t know that I wasn’t the average retarded truck driver. They didn’t think I had enough curiosity to wander around a bit, as I always do.
I saw the boxes from my truck opened and lying discarded in a room right by the dock. The contents were gone, but a sheet of paper with Pentagon letterhead was still lying inside. Half a page down was the heading “H1N1 phase I - probability of success by epicenter.” At the top of the list was Mexico City, followed by Los Angeles, New York, Houston, and Singapore(?). Not being retarded, I remembered enough of what I read to jar my memory when the first reports came out. Wherever you are, be careful - there are powers and interests here far more dangerous than you imagine.》

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