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青々ととんがった葱



ただ坐っていると
窓のへりに雀が来て
留まった

青々ととんがった葱が
なぜだか
心に浮かぶ

雀は首をひねる

飛んでいって
しまわないようにと
ぼくのほうは
首をひねらない

雀がまた首をひねる

ぼくのほうは
やっぱりひねらない

心には葱
窓には雀

またまた ひねる雀
それでもひねらないぼく

ぼくだってひねりたかったが
でも葱は
ぼくの心の中にあったのさ

どうだ、雀?

葱はぼくのもの
首なんて、
フン
あとでひねりまくって
やるんだからな





「ぽ」163 2006年12月

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