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るるんぱ



ふと正しく
  路地に(もう)入らず
 花の名を(もう)七つも忘れて
         ななななんという夏の
       はじまり


  老義父のおむつを買い忘れた!


 三條兼子さんが麻の
         きものを(もう)
               (もう)
            (もう)
               汗まみれにして


    ちょいとひとりに成りにいく
      海岸の防波堤


  風に吹かれてあたしのこのざまぁ
    はっ、
            想像だにしなかったわよぉ
     気取ってた学生の頃なんかには、さ


 大通りには芙蓉がならぶ
         なんだか不吉

                         でも、

        なんだか大吉、と
            すぐに言い換えてみる癖
          ついちゃったのよねぇ



   ♪ 潮風に
       流すあたしの宿命の
     浮薄な部分の
          崩れ
         るるんぱ
            ………





「ぽ」189 2007年7月

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