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再定義



ひとは愛だというけれど
ほとんどは恋にとどまっている
ときめいていたり
うきうきしていたり
世の中があかるく見えたり
まだまだ
そういうのは


さいごの恋が終わってから
たぶん
何百里もふらふら歩き
どこかの道標を過ぎたあたりから
ひょっとして
始まるか
始まらないか
そんな
奇跡
あまりにも
不確かな
変容

それが愛
心の状態でなどなく
湧き出てくるものでもなく
もう心はない
なくなっちゃった
ということ
かつて心があったはずのところの
底の知れない
巨大な空虚

それが愛





「ぽ」217 2007年12月

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