[ NEXT ][ BACK ][ TOP ][ INDEX ] いつも明けがたの地方 かげろうの 羽ばたきにも鳴る 楽器の胸は もどる 源のむこう いたみの 花となる扉へ 毎夜ほそ立つ 芽のような祈り 霧のからだに うちよせられて 浅みの友 風にさわだつ 肌のおもて いつも明けがたの 地方に膝をかかえて 透いていく 足先を確かめている 薄氷となって まぼろしは剥がれ 欠如こそ翼 「ぽ」235 2008年2月 [ NEXT ][ BACK ][ TOP ][ INDEX ]