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らりるれろ



ぼくはがたがた（どうろこうじのおとがきこえている
きいてると
がたがた
はつおん
したくなってしまう
で
しちゃった
わけな
かんじで
な）
なめこじる
さいきんたべてないね
がたがた
なめなめ
ぬめぬめ
すきな
おのまとぺのくにに
きちゃったぞ
また
また
まちゃまちゃ
やちゃにゃちゃ
もう
ふるかいてん
しちゃうから〜ん
んにゃんにゃ
んにゅんにゅ
んんにゅ
んんにゅ
めこじの（いみない　いみない）
こじ
てんがいこじの
おお
けなげなせいかつよ（そろそろ　いみあり）
かっこ
かっこと
なるかっこ（ながいようこのいんようだな）*
こっこして
とっこして
ほっこして
よっこして
ぽっこして
のっこして
なかなか
ぬけだせなくなる
おと
おと
おとの
ちたいがある
ふしぎなものだが
あいうえおの
ごじゅうおんずは
はつおんしやすいじゅんに
ならんでいるわけではないのである
あいうえお
かきくけこ
さしすせそ
たちつてと
なにぬねの
はひふへほ
まみむめも
やゐゆゑよ
らりるれろ
わ　　をん
とはつおんするのは
けっこうな
うんどうなのだ
うんどうなのら
うんどうらのら
あいゆえの
かりとぅてと
さりるめの
たりるれろ
なびるめも
はりるれろ
まりるれろ
やみるれろ
らりれりろ
わりるれろ
のほうがいいやすいが
これだと
でてこないおとが
でてくる
でてこないのが
でてくる
ってゆーのは
そんざいろんてき
でたのしいが
こちらの
らくらく
ごじゅうおんずを
ふりかえってみると
らりるれろ
ずきな
わたくしではないか
しょうたいは
らりるれろ
だったか
えうれか！
そくらてすよ
そくらてす（えうれか→あるきめです　しってます
ここは　そくらてす　なのよ）
なんじじしんをしれ
の
そくらてすよ
はっけんしちゃったぞ
くせじゅ（おらはなにしっとるべ？）の
もんてーにゅだって
こいったら
じゅせ（＝おらしってる）
く（＝ぞ）
じゅすい（＝おらは）
らりるれろ（＝らりるれろ）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　*曇天にかつこかつこと鳴る鞨鼓(かつこ)たれにか逢はむたれかに逢はむ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　永井陽子『ふしぎな楽器』（一九八六）





「ぽ」313　2008年8月

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