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駿河 昌樹 詩葉 二〇〇六年四月
先行・平行する自身の詩文一切を否定し、不断の推敲凝縮によって
幾許かの結晶に到らんとするために。したがって此処では、同じ詩作品が無限回
改変されて発表され続ける。
秋に陥らぬ(第八推敲版)
求めぬまゝ微光する森に
樹根を汲む憂いの帆
草、ちぎれぬ夢、執拗に青いランプ
炎ばかり繊く揺らいで
肉化の無数の階梯を怠らず
震える回廊の化学は細く先触れ
音なき収穫の主の水路に
読み上げる天球儀の青い地名幾つか
秘術は秋 床や石畳に降り
剥がれて透く蒼空に古む現在
指紋になお留まる民族の薄い末裔
紐解かれて細む秋の水晶の先には
虚空の宮廷 すなわち鮮緑の蛇
(やはり…)友でしかなかった繊毛の水路
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