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Moonshine 11


日本メディア調査会(水間政憲代表)がネット上で行った第一回テレビアンケートの結果がすさまじく面白い。
内閣支持率についてのテレビによる調査を、なんと93.9パーセントの回答者が信用できないとしており、テレビの報道番組が公平中立な報道をしていないとする回答は98.2パーセントに達している。
 政権問題となると、もっと面白い結果が出ている。麻生首相を支持すると答えた回答者は91.5%、首相にふさわしい人物としても66%が麻生太郎と回答、2位は安倍晋三が11%、3位はモーロウ発言問題があったにもかかわらず中川昭一となっている。
きわめつけに面白く、しかも納得がいくのは、どのニュースキャスターがいちばん偏向しているかという問いへの回答で、ダントツ1位が「報道ステーション」の古館伊知郎、次にみのもんた、さらに鳥越俊太郎と続く。
どれをとっても、テレビや新聞の調査結果とは徹底的に異なっていて、これをそのまま信じれば地上波テレビ信者や大新聞信者と同じ愚に陥ることになろうが、少なくともこれほど異なる結果が出たというのをよくよく見ておくのは大事なことだろうと思う。
ふつうのテレビ調査では、固定電話へかけて500や1000のサンプルをとるようだが、日本メディア調査会によって、3月15日から25日にかけてインターネット上で行われたこの第一回テレビ調査では、総回答数が12649、有効回答が11570(91.5%)とはるかに高くなっている。一般の勤労者が活動しているような時間帯に在宅者のみに聞き取りをする固定電話による調査は、調査対象となる人間の価値観や判断に顕著な偏りが出るはずなので、以前から有効性は疑問視されていた。インターネットによる調査にも、もちろん調査対象の偏りは出るには違いないが、少なくとも生活形態の違う人々の意見が反映されることは間違いない。
あえてイジワルな判断をしてみると、今回の調査結果はどう考えても自民党寄りのそれに見え、これはこれでアヤシイことこの上ない。しかし、テレビや大新聞のアヤシサというのも周知の事実なので、どんな政権になろうが別に得をするわけでもない一民草としては、とりあえずはこの双方のアヤシサをブレンドして、ほんのちょっとアヤシクない見取り図を拵えてみるべきだということになろう。双方のアヤシサを正面衝突させたり交ぜ合わせたりして、メタレベルのとんでもないアヤシサをつくり出すなんていうのも、もちろん面白い。
個人的には、トンデモ番組の最たるものであるテレビ朝日の「報道ステーション」を見る機会はけっこう多く、ヒューマニズムをひとりで背負ってみているような古館伊知郎の道学者風コメントのアホラシさを観察しては、きょうも元気に馬鹿をやっているなぁ、醜いなぁ、それにしてもホントひどいなぁ、などと酒の肴にしたりしているのだが、今回の調査結果を見たおかげで、あれを偏向甚だしいと見る同志がいっぱいいるのだと知って、ちょっと孤独が癒される気になった。
みのもんたに至っては、まぁ、なにをか言わんやで、どうしてあのようなムツゴロウみたいなテカテカオヤジに人気があるのか、まったく理解できない。別に個人的に嫌う理由もないのだが、あの人のしゃべりというのは、明らかに視聴者を知的にユルイ人間とみなした上でなされている芸なので、聞いていてぜんぜん面白くないのである。
鳥越俊太郎という人のヒューマニストぶりは、みのや古館に比べればもっと品がいいが、どうも近頃の姜尚中(あの人に漱石を論じてもらいたくはないね、まったく)のように胡散臭くて、マジに受けとめるわけにはいかない。どうやら民主党べったりのようでもあり、どこかの番組では「我々は政権交代させたいんだよね」とか言っちゃったらしい。これは、報道番組のキャスターの発言としては放送法違反にあたるそうだが、現在は罰則規定がないのでどうにもならないのだそうだ。
そういえば、小沢は民主党代表を辞任すべしとの回答は85.1%に上ったという。他人のシマのことなのでどうでもいいとは思うが、海むこうのバラク・オバマの見事な弁論能力を見ると、小沢が首相になったりしたら参っちゃうなァとは思う。いくらロスチャイルドが後ろ盾になって支えているとはいえ、北朝鮮のミサイルが本当に降ってきたら、あんなモッサリしたしゃべりの首相では間に合わない。立て板に水のごとくにしゃべることのできる政治家でないと、要職には就いてほしくないと思う。弁舌のたつ人間がすなわち有能というわけでないのは当たり前だが、一般の人間とは違って、政治家にとってしゃべりというのは必須能力だろう。事務的、地政学的、その他の損益を、しゃべりながら一瞬に処理していける特殊な脳の持ち主でないと、これからの政治はいよいよ勤まらない。

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