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ARCH 42

                   駿河昌樹詩葉・2001年4月



川面きらきら




(なんでもかでも
 はっきりしてしまうのって
 いけないことじゃないかしらん)

 川面きらきら
 遠うみまで見はらせて
 すわってるだけで酔っぱらうような
 河の下流の
 ぽかぽか はつ夏
 この先の身のもちぐあい
 なおもなおもやりたいこと
 やっておかねばならないことナド
 あれこれ思って
 ぼんやりとしてくるアタマ

 ある年齢をこえると
 ムダということを思わなくなるような
 はて、ぼくだけかしらん
 キョム的、なんてのとはちがって
 ヒトは死ぬ
 ぼくも死ぬナア
 いつだろナア
 死ぬんだろナア
 死ぬんだナア って
 のんびりさざなみを聞いてる
 ふしぎなのは
 かたづけてこなかったあれこれ
 決められなかったこれそれ
 けっこう味のある
 オブジェなんぞに見えたりもして

 どうやら一生ぼおっとし続け
 それでもまァ
 まいにち水も飲んだし空気も吸ったし
 空も見たしみどりも見たなァ
 よかったんじゃないかナ それで
 と そんな気持ちにしかならないのは
 いいんだか わるいんだか

 川面きらきら
 ぽかぽか はつ夏
 いいんだか わるいんだか
 すわってるだけで酔っぱらうような

 よかったんじゃないかナ それで
 まいにち水も飲んだし空気も吸ったし
 空も見たしみどりも見たし……







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