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駿河昌樹詩葉・2002年2月
この壮大な滝ヲ いったい何千年かけて、これから、
日付のないメモでいっぱいのノートは
停泊しよう、どこかに、と努めていたボクの
死ノ前ノ、ココロの、華ゾノ
トーキョーノすのっぶナかふぇデ、
そのノート、よく開き、(うしろの席の、流暢な英語を話す女性と、友達ダロウカ、
仕事仲間か、白人の男性との、穏やかな、でも、じゅうぶんな感情の盛られた
会話を聞いたりしながら)、
(そう、流れていた、ジャズ、もたれない、演奏…)
ペンを紙に磨りつけると、すぐにも、
味のないつまらない文字 か、ふいに ことさらに少なくなってしまった心の語彙の
なかでも、とくに融通のきかない記憶と機転が
ドウニカ コウニカ 押し出してくる単語、
そんなものばかりを記していこうとしているのに気づいて
文字を書き上げる前に、よく ペンをとめて、
自分がその一部であるような大きなものの全体 ヲ 調律しようとする ように
店の外を眺めたり していた
書きとめる言葉がもし詩になるのなら、 いい
ぼくにもそんなことができるのなら
もはやこの時代、だれにもできなくなったそんなことが…
ナドト思イ、サラニ、
(詩ハ、退行感情ヲ刺激セネバ、スル振リヲセネバ、ナラナイ、ノダロウカ…)
ト思イ、
そんな思イは記さない…、なぜか
果てまで来た、と、むかし、
なんども思った
どの瞬間も、果テ、ではなかったと今は知っていて
今さえ
果テ、ではないと知り続けていく…
とーきょーノすのっぶナかふぇノがらすノ外に
青空とすてきな・ぼぉりゅーむの雲塊が見えている
見えていた…
あの雲と青空(今朝マデ、たいへんな嵐だったノダ、すっかり大気ハ洗われて、 、 、)
ヨリモ美女ヲ選ブカ、君ハ?
と、だれにト、も、なイ、問イ。問うて、 …ふふふ。
ダガ、娘タチヨ、モウ、若クナイ、僕ダ……
日付のないメモは
待ってきた姿、「時間」を か、 納得を か、
「時間」の装いで来るさまざまなモノ、コト、(あゝ、みな、つながっている…)
ダガ、娘タチヨ、時ノ娘タチ、モウ、若クナイ、僕ダ
日付のないメモでいっぱいの ノートを
閉じるのは心踊るトキ、のひとつ、
モウ、書カナイ、と、そのトキは思う、踊レ、ココロ、(モウ、書カナイ)トキヲ。
しばらくノ、アイダ、ダケデモ。
ダケデモ。
終ワリガナイ、と、知っているよ、ちゃんと……
娘タチ、時ノ娘タチヨ、
たゞ ぼんやりと生きて、逝キ、給エ、君(=僕)! そうすれば、
ある頃あいから 時が
やさしいスローモーションの滝に変わるのが わかる
時ノ娘タチヨ、……
この壮大な滝ヲ
いったい何千年かけて、これから、ぼくらは降下していくというのか……!
(六本木Tully's coffeeでの2002.1.16+27のメモを利用しつゝ)
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