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ARCH 68

                   駿河昌樹詩葉・2003年10月



白壁に手をついて



わたしも 夏の 休暇 ………

白壁に手をついて
ハイヒール脱ぎ 小砂利を出している
海ちかい 昼過ぎの広場

若さの潮がゆっくりと退いていく頃
あの頃
わたしの夏はすばらしかった

わたしも 夏の 休暇 ………

なにもかも から 離れ
ふいに
わたしと いた

白壁に手をついて ………

あれ以来 どこにも向かっていない
このことばたち 思いのつどい
ここへの ほかには

わたしも 夏の 休暇 ………

生きた彫像?
……翳 青く燃える海
ふいに なんどもの 生まれかわりののち
漂着する
そんな 時と場

……わたしこそが 浜 でしたね
探されていた もの

白壁に手をついて
いつまでも ハイヒールを振っていたようだった ………





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