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南の国への旅のある夜



夜空がいつも青くて
街灯がうつくしいオレンジ色で
路上にステージのふちのように光が滲んでいるなら

知ってるかい?
すべてはふしぎなまでにステキになる

ただそれだけのことで
いつまでも
お祭りの気分は終わらない

あしたも
あさっても
お祭りは続く――
そんな思いのなかでは
みんな
微笑んで死んでいける

人類というのは
お祭りの受けわたしだからね
そうでなければ
だれの生活にもたいした意味は出てこない

夜空がいつも青くて
街灯がうつくしいオレンジ色で
路上にステージのふちのように光が滲んでいるなら――

ここが大事なところ
こんな空と
こんな街をつくって
維持していけるか

これで
すべて決る
これを基準にするだけで
いい





「ぽ」191 2007年7月

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