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水底へ



青い
と見えていた澄んだ水が、いま
さらに青く澄んで
沈んだままの太古の森が
ありありと水底にひろがっている


（あそこを抜けていくのだ…）


からだもこころも
途中で剥がれていくのだろうが
沈んだままの太古の森の
堅い厳しい枝々の暇を
むこうへ


（あそこを抜けていくのだ…）


青い
と見えていた澄んだ水に、いま
さらに青く混じり入り
かたちのない流れとなっていく
境のない流れとなっていく





「ぽ」324　2008年12月

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