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これが夏の朝



朝まで起きているぼくと
朝から起き出すあさがお

きょうは父と母が死ぬ日だ
父はピストルの銃口をきちきち磨き
母は包丁の柄なんかをきれいにしている

雲はあこがれのように浮いて
朝の空はしばらく止まっていたりするのがお好き

古い帳簿を取り出して
ぼくはいつかの家計の計算違いを正す
ぼくはすでに死んでいる風
ぼくはあこがれ

これが夏の朝
しかし
いつの夏の朝だったか
来世のさらに来世
はたして わかるものかな





「ぽ」137 2006年8月

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