純情青春野郎爆進中!

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第三話 桐村くんの料理
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湯前のN 「駅前の喫茶店『カフェIN』の新メニュー、
  『日替わりみそ汁カレー』のおかげでうちはガラガラ。
  そんな時、本城さんが一言。」
客1 「甘いものが食べたいから…そーだな、じゃあスカイパフェ」
一同 「スカイパフェ?」
湯前のN 「この一言から、『スカイパフェ』をつくろうということになったあたし達。」
高須 「スカイパフェってぐらいだから空だよな〜」
マスター 「スカイダイビングなんてどうだ」
桐村 「何か足りないな、こう…」
高須 「甘さだけだから、なんかこう…」
湯前 「ミント?」
桐村・高須 「それだーっ!!」
湯前 「そんなこんなで作ってみた、試作品は…」
4人 「最高だーっ!!」
湯前のN 「とゆーわけで、あたし達は売りだしたのでしたっ!」

 ◎生徒ガヤ。
桐村 「ほぇ〜っ」
鳥居 「ん?どーした桐村。変な声だしてボーッとして」
桐村 「いや〜…バイトがなかなかハードでさ」
鳥居 「スカイパフェか」
桐村 「そっ。一カ月たってもまだ客足引く様子もないんだから、たいしたもんだ」
湯前 「なーにをひとごとみたいに言ってんの」
鳥居 「やあ湯前さん」
桐村 「や〜。こいつぁど〜も」
湯前 「ボケてるわね」
鳥居 「朝から何やってんだか」
湯前 「そんなにハードかなー…」
鳥居 「第一、バイトはやりたくてやってるんだろ?アパートの家賃はもう払ったんだし」
湯前 「ま、お客さんが全員御影屋に来なくて助かったわね」
鳥居 「そーなの?てっきり『カフェIN』の客も全員よびこんだかと」
湯前 「半々ってとこかな。全員こっちに来たら向こうが大変だろうし」
桐村 「うぃ〜」
鳥居 「いきなり変な声入れるなぁ!」
湯前 「あんた、ボーッとしてるけど、現国の宿題やってあるの?」
桐村 「え?」
湯前 「ほら、ノートの。 
  ベリーラ=トゥールの『ロバート&ジェネラルについて』の第二段落を、
  ちゃんとした日本語にするってやつ」
桐村 「あーっやってない!」
鳥居 「どーすんだよ」
桐村 「どーしよ…見して」
鳥居・湯前 「やだ」
湯前 「宿題ってのは自分でやるもんよ」
桐村 「そうだ、間か加藤なら見せてくれるかもしれん。 お〜い見せてくれ〜っ!」
高井先生 「だめです!」
3人 「へ?」「え?」
高井先生 「あなたたちねぇ…先生が来てるっていうのになにやってんの!」
桐村 「い、いつの間に…」
加藤 「少し前からいたぞ」
桐村 「言ってくれって!」
高井先生 「で…桐村くん?宿題やってないんだって…? フッフッフッフッフ…(不敵な笑み)」
桐村 「あ…」
間 「説明しよう。高井先生は宿題忘れには非常に非情なのだ」
鳥居 「シャレ?」
間 「一応」
桐村 「冷静に冗談かますなーっ!!」

湯前のN「…とまあ、そういうわけで、
  桐村くんは『ロバート&ジェネラル』を全文読むことになったのでした」
桐村 「えーっと…『わたしおもいマース。コノげーむはベリーインタレスティング。
  バットこれしってる人イナイ。バットってベースボールちがう
』」
間 (小声で)「よくわからん文だよなー」
早野 (小声で)「だから日本語にしろっていう宿題だったんだってば」
桐村 「『ディスをひろめるのわたしのやくめ。これはだってたびさきでバッチグー』」
間 (小声で)「本当にアメリカの人かね、ベリーラ=トゥールって人は」
高井先生 「あらいけない。先生9時からお客さんが来るんだったわ。
  じゃああと自習ね。んじゃ」
 ◎出てく。
桐村 「ふぇ〜。つっかれたぁ〜」
加藤 「ほんとほんと」
桐村 「お前は何もやってないだろ…ん?」
早野 「え〜皆さん」
桐村 「学級委員にして『なぞ星人』というふたつ名を持つ早野か」
早野 「説明ゼリフはやめましょう」
桐村 「はぁ。 で、なに?」
早野 「あぁ、はいはい。
  えーですね、うまいこと自習になったんで、ちょっとやりたいことがあるんです」
間 「なんスか?」
早野 「テスト」
生徒達 「えーっ!?」
早野 「いやいや、そーゆーテストじゃなくて。『雑学テスト』というものをやりたいと思ってます」
加藤 「雑学テスト?」
早野 「イエース。クラスの雑学王を決めようと思って」
鳥居 「さすが『なぞ星人』。わかったよやるやる」
早野 「そんなに難しい問題はないから。
  さっきの『ロバート&ジェネラル』の基本ルールぐらいのしかでないよ」
生徒達 「わかるかーっ!」

高須 「ありがとうございましたー。 …ふぅ」
マスター 「これで今日は閉店だね」
湯前 (遠くから)「何かいるー?」
高須 「アイスコーヒー」
マスター 「二十一茶」
桐村 「コーラ」
湯前 (遠くから)「あいよっ!」
桐村 「いやーっ今日もまた大変でしたね」
マスター 「まったくだ。たまには休んでどっかに行きたいね」
高須 「あ それいいですね。
  そーいえば桐村くん、今日自習のとき雑学テストしたんだって?」
桐村 「え?何で知ってるんですか?」
高須 「後輩に聞いたよ。間くん」
桐村 「あぁ…あ、あいつ味覚発見部だったんですか」
高須 「そっ」
マスター 「そういえば、最近スカイパフェを頼む人が減ったなぁ」
湯前 「そういえばそうね」
桐村 「やっぱ、もう5月だし」
湯前 「関係ないって」
高須 「で、その雑学テスト、どんな問題が出たの?」
桐村 「こんな」
高須 「どれどれ… ラジコンとは、何の略か」
桐村 「ラジオコントロール」
湯前 「えっそうなの?ラジカルコンティニューじゃないの?」
マスター 「娘よ…」
高須 「次の色を濃い順にまとめよ。
  エメラルドグリーン、ライトグリーン、ビリジアン…これは美術じゃ?」
桐村 「そーっすよね。ライトグリーンってなに?」
湯前 「薄い緑よ」
マスター 「それがわかってなぜラジコンが…」
高須 「ん?これは…。 …2年C組 桐村 渚くんの作れる料理の数は?
  1、1種類 2、数種類 3、10前後 4、それ以上」
湯前 「あ、それわかんなかった」
桐村 「『2』だよ」
3人 「え?」
桐村 「2〜3種類しか作れないから。レトルトとか除くと」
高須 「何つくれるの?」
桐村 「簡単なのでいいですか?」
高須 「いいけど」
桐村 「んじゃ、ちょっと待ってて下さい」
湯前 「…御影屋の店員ともあろう者が、あれでいいのかしら」
マスター 「高須くんはどのくらい?」
高須 「数十ですかね」
2人 「お〜」
高須 「この前、ビーフストロガノフ作りました」
マスター 「…知賀、負けてるぞ」
湯前 「うるさい!」
桐村 「お待ち〜」
高須 「おっ、早い」
湯前 「何コレ?」
桐村 「生卵」
 ◎沈黙。S.E.木魚
桐村 「いり卵もできますけど」

 ◎S.E.電話
高須 「あぁ、はいはい」
 ◎電話をとる。
高須 「はい高須です… あぁ、知賀ちゃん。 ん?今度の連休? 空いてるけど何で?
  …え? …ふんふん。なるほどね」
湯前 「そう…うん、そういうわけなんで、よろしく〜」
 ◎電話を切る。
マスター 「知賀、高須くんに伝えといたか?」
湯前 「うん。こっちはカンペキだけど」
マスター 「よ〜し… 少年、まってろよ… フッフッフ…」

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