純情青春野郎爆進中!

*表示に少々時間がかかる場合があります。ご了承ください。

第四話 料理強化合宿で
<前話を見る

高須のN 「我が御影屋が誇る新製品スカイパフェのおかげで、御影屋は大繁盛。
  だがしかし、ブームはそのうち冷めるもの」
マスター 「最近スカイパフェを頼む人が減ったなぁ」
桐村 「やっぱ、もう5月だし」
高須のN 「そんな中、僕たちは桐村くんの秘密を知った」
高須 「桐村 渚くんの作れる料理の数は?
  1、1種類 2、数種類 3、10前後 4、それ以上」
桐村 「『2』だよ」
3人 「え?」
高須 「何つくれるの?」
桐村 「ちょっと待ってて下さい」
湯前 […御影屋の店員ともあろう者が、あれでいいのかしら」
桐村 「お待ち〜」
湯前 「何コレ?」
桐村 「生卵」
高須のN 「そんな桐村くんに、僕たちはある計画をたてたのだった。」
マスター 「よ〜し… 少年、まってろよ… フッフッフ…」

 ◎電話を取る
鳥居 「はい鳥居です」
高須 「あぁ鳥居君。桐村くんいる?」
鳥居 「今コンビニいってるんすよ。どんな用ですか?」
高須 「あぁ実はね…」
 ◎ドア開く。
鳥居 「あ 帰って来ました。どーしますか?」
高須 「ん−…まぁいいや今度言うよ。桐村くんに今度の連休あけとくように言っといて」
鳥居 「あ わかりました」
 ◎チーン。
桐村 「ん?鳥居、今の電話だれ?」
鳥居 「え?…時報だよ」
桐村 「お前は時報と話すんか」
鳥居 「はっはっは… そーいや桐村。お前、今度の連休あいてる?」
桐村 「連休ってゴールデンウィークだろ? 実家に帰るつもりだけど」
鳥居 「大ウソつきめ」
桐村 「わかる?」
鳥居 「そりゃわかるよ。あんなことがあったんだし。
  …で、じゃあヒマなんだね? 予定いれないどいてよ」
桐村 「ほぇ?」

高須 「ふぅ。これでよし、と…。あとはどこにするかだな。
  …あ 待てよ。どうせなら知賀ちゃんも…」

桐村のN 「そして、連休に突入。オレらは、御影屋に集合した。」
高須 「おはようございま〜す」
桐村・マスター 「おはようございます」「はいおはよう」
高須 「あれ 知賀ちゃんは?」
マスター 「どれ着てくか悩んでるんじゃないか?」
湯前 「おまたせ〜」
マスター 「なんだ。結局いつもと変わらないのか」
湯前 「はっはっは」
桐村 「こんな時期に出掛けたら、ラッシュに巻き込まれません?」
高須 「大丈夫でしょ。時間もわざわざずらしたんだし」
マスター 「朝は弱いんだが…」
湯前 「お父さん、運転できたっけ?」
マスター 「免許はあるにはある」
高須 「じゃあ、出発だ!」

おかみ 「高須さん、お久しぶり」
高須 「あぁ、お久しぶりです、おかみさん」
桐村 「知り合いなんですか?」
高須 「去年、味覚発見部でお世話になった人でね」
桐村 「へー」
おかみ 「なんですか、聞けば料理をお作りなさるとか」
桐村・湯前 「え?」
高須・マスター「フッ」
桐村 「な、何ですかそれは?」
湯前 「ハメられたかな」
高須 「ではそろそろ今回の合宿のしおりを配りましょう。はい」
桐村 「合宿? …んーと… 『御影屋料理強化合宿』!?」
湯前 「『合宿の目的。
  1、桐村くんにまともな料理を作らせる。2、あたしにすごい料理を作らせる』」
桐村・湯前 「あの〜…」
高須 「つまり、今回の合宿は、君たちの料理の腕を上げようというコンセプトなのだ!」
鳥居 「そりゃいいや」
4人 「え?」
おかみ 「あら、鳥居さん」
桐村 「と、鳥居!? お前 なんで…」
鳥居 「旅行行くって言ってたろ」
桐村 「そーだっけ?」
鳥居 「で、桐村が料理つくるって? いやーそうなったらいいんだけどねー」
湯前 「そっか、鳥居くんたち同居してるんだっけ。いやらしい」
桐村 「そんなんじゃないよ。いろいろあって…」
鳥居 「実はこの裏には悲しいお話がありまして。悲しすぎて言えないや」
2人 「ハッハッハ。」
湯前 「まぁいいや、で、『そうなったら』ってどういう意味?」
鳥居 「いや〜 こいつの料理食えたもんじゃないっしょ?」
湯前 「生卵は料理とは言えないわね、確かに」
鳥居 「いつもオレが作ってるもんだから」
湯前 「そっか。じゃあ鳥居くん料理うまいんだ」
鳥居 「ビーフストロガノフぐらいですかね」
高須 「お〜。さすがだね」
マスター 「なんで料理のうまさを表す言葉がビーフストロガノフなんだ」
高須 「まぁいいや。んじゃ、僕と鳥居くんは君らの買い出しにはつきあおう。
  じゃあ鳥居くんは桐村くんにつくだろーから、僕は知賀ちゃんにつこう」
鳥居 「え」
マスター 「ま、今日は休むか」

鳥居 「あがり!ダブルストレート リー チル タコ ツー フラッシュ フルハウス!」
桐村 「だ〜っ 終わりだ終わり! 次行こ」
高須 「もう2時間もやってるもんな、マージャンポーカー。 んじゃダイヤモンドでもやろう」
マスター 「なんでそう超無名トランプゲームばっかりなんだ…」
桐村 「そーいえば、そろそろ夕食じゃないっすか?」
高須 「そうだな…あと10分ってとこか。そろそろ行こう」
鳥居 「あれ?湯前さんは?」
マスター 「そーいえばどこ行ったんだ? …まぁ、食堂にいりゃいつか来るだろ」
桐村 「じゃ、行こーか」

高須 「んー。夕食まだかなー」
湯前 (遠くから)「あ、みんなもう来たの」
マスター 「あぁ知賀。なんだ、お前風呂か」
湯前 「そう。みんなもあとで入ってきなよ」
鳥居 「もう入ってきたわけ?」
湯前 「うん」
桐村・鳥居 「チッ」
高須 「こらこらこら」
おかみ 「おまちどうさまです〜」
マスター 「おっ、来た」
鳥居 「おかみさん、これは何ですか?」
おかみ 「えー こちらから自家製ラザニアに、ローストビーフを煙でいぶしたのに、
  コーンポタージュスープ クルトン入りに、おライスです」
高須 「おライス…」
桐村 「ま、まさか洋食がくるとは…」
おかみ 「明日は和食ですよ」
一同 「…」
湯前 (小声で)「ひょっとしてあたしたち、すんごい所に来たんじゃ?」
マスター (小声で)「料金そこらと変わってないぞ…?」

加藤のN 「…というわけで次の日。 彼らは町へ買い出しに出掛けたのだった。」
桐村 「あれ?なんで加藤がここに?」
加藤 「気にするでない。セリフの少なさが全てを物語る。」
桐村・加藤 「ハッハッハ。」

桐村 「えーっと…」
鳥居 「はぁ…」
桐村 「何つくるか決まってないんだよなぁ。何にするか… なぁ鳥居」
鳥居 「はぁ…」
桐村 「どーしたんだよ、鳥居?」
鳥居 「あっちの方 行きたかったな〜…」
桐村 「あっち? …っておい。お前ひょっとして…」
鳥居 「…そうだよ」
桐村 「えっ… おいおい、お前…」
鳥居 「何も言うな。 …お前こそ、どう思ってるんだよ?」
桐村 「…いいやつ」
鳥居 「それだけか?」
桐村 「…めちゃくちゃいいやつだよ。『いいやつ』以上だけど…
  『好き』ってわけじゃないんだな」
鳥居 「…よくわからんな」
桐村 「高須さんもそうなんじゃないか?」
鳥居 「そうか? 高須先輩は中学生のころ恋人を事故で亡くした…だか何だかで、
  彼女のことを忘れられないんだとか何とか」
桐村 「え?そうなのか?」
鳥居 「うわさだから何とも言えないけどな。 さ、材料材料!」
桐村 「何つくるか決めよーってば」

マスター 「あぁお帰り。少年らはもう帰ってきてるぞ」
湯前 「ありゃ」
高須 「まぁ、これだけこれば仕方ないか」
マスター 「何つくるんだい?」
湯前・高須 「ひみつ〜」
マスター 「娘よ…」

加藤のN 「そして夜。」
高須 「桐村くん…起きてる?」
桐村 「…はい?」
高須 「あのさ、桐村くんは…
  …いやなんでもない。ごめん気にしないで。 おやすみ」
桐村 「…高須さん…?」

加藤のN「そして、合宿は最終日を迎えたッ!」

>次話を見る

この文章の感想、ご意見等ありましたら、
メール掲示板などでどうぞー。


文ネタTOP - TOP