純情青春野郎爆進中!

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第十五話 文化祭当日!
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狭山のN 「刻一刻と近付く文化祭。」
高井先生 「文化祭は絶対成功させるのよっ!」
鳥居 (小声で)「こわ〜…」
桐村 (小声で)「高井先生は、文化祭に命かけてるからな〜」
狭山のN 「そんな中、桐村くんと鳥居くんは、昔の隣人であるあたしと出会う。」
鳥居 「まさか狭山さんと会うなんて」
桐村 「再会の秋、ってやつかな。 まぁとにかくだ。狭山さんも言ってたけど…」
鳥居 「あぁ。いつか、一度は帰らないとな」
桐村 「…いつか、な」
狭山のN 「自分の気持ちにまだ決着がつかない桐村くん。」
鳥居 「どうすれば…」
狭山 「文化祭近いんでしょ?今はそれだけ考えるの。文化祭には行くから、がんばるのよ」
鳥居 「わかりました!」
狭山のN 「そして、9月29日。ついに、この日は来た!」

 ◎ガヤ。
本城 「ふぅ。ここか。 この高校に来るのも久し振りだな。10年近く来てなかったかぁ… ん?
  …へー。中学生の娘も来てるのかぁ。うちの学校もずいぶん成長したもんだ。
  ま、いろいろまわってみるか」

間 「それにしても、あっという間に来たな、この日」
加藤 「昨日も文化祭だったって感じしないよなぁ」
高井先生 「はいみんないい? 昨日は生徒への文化祭。言うなれば…」
間 「試写会」
加藤 「身内だけの結婚式」
湯前 「地味婚ってやつね」
高井先生 「とにかく! 真の文化祭は今日よ今日!」
間 「ほほう。つまり昨日のはニセモノだと」
高井先生 「何か言ったっ!?」
間 「なんでもないっす!」
早野 「とーにーかーくっ! みんな、今日はがんばろう!」
桐村 「どーした早野? いやに燃えてるなぁ」
早野 「いやいや」
間 「あ… ははぁ… なるほどね」
早野 「ニヤリ」
間 「キラリ」
湯前 「なんなんだ」
高井先生 「とにかくみんな、いくわよ!」
全員 「おーっ!」

 ◎ガヤ。
御村 (遠くで)「えーっ味と伝統のソフトクリーム屋“サーティーンツー”はこちら〜」
京野(明) (遠くで)「射撃屋“ガン吉”はこちらー。ビームライフルで商品をゲット!」
市ヶ崎 (遠くで)「体育館32のBにて“死語研究会活動報告会”開催中〜」
本城 「ん? 今マスターの声がしたような… …気のせいか。
  あぁ、“サーティーンツー”はまだ続いてるのか… ん?
  “リサイクルショップ ひなた”? へぇ… 行ってみるか」

鳥居 「はーいいらっしゃーい」
加藤 「いらっしゃいませー」
本城 「あれ? なんだ、桐村くんたちのところなんだ」
桐村 「あ お久し振りですー」
湯前 「あ いらっしゃいませー」
高井先生 「…さすがにうまいわね、湯前さん」
鳥居 「高井先生も手伝って下さいよ〜」
本城 「高井?」
桐村 「本城さん、ゆっくり見てって下さいよ」
高井先生 「本城?」
本城・高井先生 「…えーっ!?」
桐村 「ん?」
本城 「おまえ、まさか高井!?」
高井先生 「やだ ひょっとして本城?」
鳥居 「えっ?」
湯前 「二人ともお知り合いなんですか?」
高井先生 「同級生よ」
本城 「この学校の卒業生なんだ」
鳥居 「へー」
本城 「しっかしお前が教師になるとはねー」
高井先生 「昔なりたいって言ったじゃーん」
湯前 「あらら。思い出話に華が咲いちゃってる」
加藤 「まぁ仕方ないって。10年振りに出会った恋人同士ということで」
鳥居 「そうなのか?」
桐村 「違うと思うな」

蛍原 「ふ〜。そろそろ他の店に行ってみるかな」
黒越 「あ、そうですか?
  まぁ、本当はこの時間の担当は僕と京野さんですからね。ゆっくりしてきて下さい」
間 「あ そーいえばオレもそろそろ…。わりぃ黒越。オレもちょっと出るわ」
黒越 「ん? いいけど… 何か用なの?」
間 「まあね」
黒越 「どんな?」
間 「…ニヤリ」
 ◎間去る。
黒越 「…なんなんだ?」
蛍原 「ま、いいか。じゃあ、行ってくるね」

蛍原 「どのへんまわるかな〜っと…」
京野 (遠くから)「蛍原さ――ん!」
蛍原 「あれ? 京野さん」
京野 「ふ〜っ。見失っちゃうかと思いましたよ。蛍原さん足速いんですねー」
蛍原 「そう? それはそうと、この時間って担当京野さんじゃ?」
京野 「黒越さんが」
京野による黒越 「こっちはいいから京野さんは行ってきなよ」
京野 「って」
蛍原 「は〜…」
京野 「私も今日はまだどこもまわってないんですよ。ご一緒してもいいですか?」
蛍原 「ん? いいけど」
京野 「じゃあ 行きましょう行きましょう」
蛍原 「どこ行く? …ん?」
京野 「どうしたんですか?」
蛍原ぁ 「あっいた」
蛍原 「葵!? おまえ何でここに!?」
蛍原ぁ 「電車とバス」
蛍原 「そうじゃない!」
蛍原ぁ 「こないだのお返しよ」
京野 「…えーっと…?」
蛍原 「あ ごめんごめん。こいつは葵。妹だよ」
蛍原ぁ 「蛍原 葵です。はじめまして」
京野 「あ 京野 和ですー。どうもー。」
蛍原ぁ 「あ お兄ちゃん。なんか小ホールで劇やるって話だよ。行ってくれば?」
蛍原 「お前は?」
蛍原ぁ 「あたしは味覚発見部のやつ見てくるから」
蛍原 「やめろって」
蛍原ぁ 「いーじゃん、減るもんじゃないし。
  あ そうだ、京野さん」
京野 「はい?」
蛍原ぁ (小声で)「がんばって下さいね」
京野 「えっ」
蛍原ぁ 「じゃ あたしはこれでー。」
蛍原 「? 京野さん、何言われたの?」
京野 「え? あ いえいえ。 じゃあ、小ホール行きましょ」

鳥居 「どう?」
桐村 「だーめ。まだあの2人 話してる。
  あ それは250円です。はいっ。ありがとうございましたー」
加藤 「あれーっ? ねぇ、間は部活の方に出てるんだよね」
鳥居 「そーだけど?」
加藤 「早野は…今いずこ」
鳥居 「ありゃ? …どこ行ったんだ?」
湯前 「たしかさっき…」
湯前による早野 「悪いけどオレちょっと出るわ。
  (シブく)会いたければ小ホールに来るといい」
湯前 「って言ってたけど」
鳥居 「小ホール?」
加藤 「小ホールっていうと… あぁ、確か有志で劇をやるはず」
桐村 「ってことは早野が出るってこと? ……見たいな」
鳥居 「あぁ」
湯前 「見たい」
加藤 「見ねば」
一同 「…」
加藤 「今 店員として働ける人間は4人」
湯前 「お客さんはまだまだたくさんくる」
桐村 「じゃあ4人のうち1人だけ見に行ける、ということで」
鳥居 「了解」
一同 「…」
湯前 「ジャンケンね」
桐村 「そーいえばジャンケンするとき、
  自分の手 組んで その中のぞいて 見えたやつを出す人っているよね」
加藤 「鳥居がやってるけど」
桐村 「やるなー!! 何が見えるっつーんだぁ!!」
鳥居 「……よし!」
桐村 「『よし』じゃない」
湯前 「いくよ? ♪ジャーンケーン」
一同 「ポイ!」「ホイ!」「とおっ!」「はっ!」など。
鳥居 「勝ったぁ!」
桐村 「チッ」
湯前 「すごい… あれって効果あるんだ…」
加藤 「違うと思う」
鳥居 「では 私 鳥居 武は小ホールに行ってまいります!」
加藤 「あ、劇終わるの12時ごろだからさ、帰りに昼飯買ってきてね。オレらの分」
鳥居 「おごらないよ」
加藤 「いーけどさ」

所沢 (スピーカーから)「まもなく有志による劇がはじまります」
鳥居 「劇ねー。どんな内容なんだろ」
狭山 (遠くから)「鳥居くーん!」
鳥居 「え? あっ狭山さん」
狭山 「やーっと会えたわねー。 あ ここいい?」
鳥居 「あ はい」
狭山 「よいしょっと。 劇だって?クラスの人とか出るの?」
鳥居 「そうらしいんですけど… あっ」
狭山 「え?」
蛍原 「あ、鳥居くん」
鳥居 「蛍原さんと… 京野さん?」
京野 「どもー」
鳥居 (小声で)「へぇ…」
蛍原 「ん? そちらは?」
狭山 「あ 狭山といいます。 鳥居くんの…幼なじみというか」
鳥居 「昔住んでた家のとなりに住んでたんです」
蛍原 「へぇ」
京野 「あ、そろそろ始まるみたいですよ」
 ◎ちょっとだけ間。
所沢 「あーあっ… 今日もいい天気ねー」
蛍原 「どっかで聞いた声だと思ったら…所沢か。あいつが劇とはね…」
所沢 「こーゆー日は平和に過ぎてほしいわねー」
京野(明) 「よう」
所沢 「あ おっはよー ブルー」
京野(明) 「ばかっ その名前で呼ぶな!」
所沢 「あ ごめん」
鳥居 「あれ? あいつって…」
京野 「…お兄ちゃんだ…」
蛍原 「へえ、あれが?」
間 「よぅっ2人ともどーした?」
所沢 「あ レッド」
京野(明) 「だからその名前で呼ぶなって!」
京野 「間先輩だ…」
蛍原 「あの『ニヤリ』はこういうことだったか」
間 「ところで、後ろにいるのは友達?」
所沢・京野(明) 「え?」
所沢 「ぎゃーっ! なにこれ・」
京野(明) 「全長1m75cmはあろうかという巨大なミジンコではないかっ!?」
間 「新しい友達じゃないの?」
京野(明) 「ちゃうわい!」
所沢 「リーダー、変身よ!」
間 「うしっ… 変身!」
鳥居 「おっ」
狭山 「すごい。スモークたいてる」
間 「ギガレッド!」
京野(明) 「ギガブルー!」
所沢 「ギガピンク!」
間 「3人あわせて」
間・京野(明)・所沢 「ギガレンジャー!」
京野(明) 「いくぞミジンコ!」
鳥居 「あれ? あのミジンコって…」

加藤 「おかえりー。昼飯 昼飯っ」
湯前 「どーだった?早野くんは」
鳥居 「…ミジンコだった」
湯前 「はい?」

高須 「えーっ!? 有名人って、黒崎さんと南さんだったんですかーっ!?」
黒崎 「どうも〜」
南 「あたしたち知ってるの?」
高須 「そりゃもう! 『とらばーゆ』も毎回聴いてましたし!」
南 「ありがと〜」
黒崎 「んじゃ、君がこの料理を作ったのかい?」
高須 「あ はいっ! 食べてみて下さい」
黒崎 「へーっ。こりゃうまい」
南 「ほんと。 料理上手なんだねぇ、…えっと…」
高須 「あ、高須といいます」
南 「高須くんか。あたしも料理教えてもらおっかな」
黒崎 「ヘタだからねー、南さんは」
南 「うるさいっ!」

狭山のN 「その後。」
高須 「サッカー部の招待試合、そろそろ始まるってさ」
所沢 「あ ほんと? ゆーすけの引退試合なんだ。見なきゃ見なきゃ」
人1 「あっちの何とかホールで有名人がトークするんだってさ」
人2 「へー あの『とらばーゆ』の2人か」
人1 「行ってみるか」
人2 「立ち見でも聞きたいよな。」
本城 「おい高井。店の方はいーのか?」
高井先生 「あ 忘れてた」
桐村 「先生… 4時間も話してないで下さいっ!」
鳥居 「仕方ないさ。加藤に言わせれば『10年振りに出会った恋人同士』ってことらしいし」
高井先生 「なに言ってんの。ほら、またがんばるわよ!」
市ヶ崎 「剣道部が寄席やるってさ」
京野 「あの店のコーヒーおいしいんだって」
本城 「サーティーンツーでも行くか。11年前と味変わってなかったらうれしいねぇ」
桐村 「あ それは500円… いや400円でどうです?」
湯前 「ありがとうございましたーっ!」

 ◎ドア(ふつう)
桐村 「ただいまー…って、鳥居はまだか。
  やれやれ、売れ残りのエンゼルフィッシュをもらわされるとはねー。
  …ま、いっか。何か飼おうと思ってたとこだし。水そうもあるし。
  しっかし… 今日は疲れたな〜… あ〜っあ… ふ〜っ」
 ◎挿入歌はいる。
桐村 「鳥居遅いな…。
  …ふぅ。 時間があったら、そのうち行くか、うちに…。」

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